隅付きタンクがついたトイレをご存知でしょうか。トイレの奥に三角形のタンクが備えられ、銀色の配管でつながっているトイレのことです。
和式トイレではおなじみの隅付きタンクですが、古い物件では洋式トイレでも隅付きタンクが見られることもあります。
隅付タンクのトイレリフォームで起きやすい問題
古いゆえに問題が起きやすい隅付きタンクのトイレ。リフォームを依頼する前に注意点を確認しておきましょう。
隅付きタンクを外すと内装が劣化している
隅付きタンクを外してみると、タンクの裏側の壁が露出します。状況に応じて内装工事が必要になるケースも。壁がクロスの場合とタイルの場合に分けてご説明します。
壁仕上げがクロスの場合
壁仕上げがクロス(壁紙)の場合は、基本的に内装工事をおすすめします。
隅付きタンクを外すと、壁紙の日焼けなどにより、タンクのあった場所とない場所の色の違いが歴然とするからです。
場合によっては壁紙が貼られておらず、下地の石膏ボードが露出しているケースもあるでしょう。
壁仕上げがタイルの場合
壁仕上げがタイルの場合は、隅付きタンクを外した際の劣化が少なければ、内装工事をせずにトイレだけ交換することも可能でしょう。
ただし、隅付きタンクを固定していたネジ穴が残ること、ネジ跡やタンク周辺の汚れが気になることもあります。
また、タイルの内装は寒々しい印象を与えてしまいがちなので、可能であれば内装も一緒にリフォームするのがおすすめです。
トイレが狭いケースが多い
隅付きタンクのトイレは和式トイレ、または和式トイレを洋式トイレにリフォームしたケースが多くあります。
その場合は、トイレ空間が狭いことが多く、配管の問題でトイレを前に出さなくては設置できないことも。トイレを前に出すと、さらにトイレの前空間が狭くなってしまいます。
すると、身支度の際に身支度しづらい、前傾姿勢の際に頭をぶつけるなどの問題が生じてしまうのです。
トイレ前方の空間を確保するために、ひと回り小さな便器を選ぶ、配管の組み換えを行うなどの工夫が必要になることもあるでしょう。
給水管位置の問題
隅付きタンクのトイレは、一般的な洋式トイレと比べて給水管が高い位置にあります。
新しく設置するトイレの同梱品だけでは給水接続ができないので、専用部材を取り寄せて給水管を延長しなくてはなりません。
給水管が横壁から出ている場合
給水管が横の壁面にある場合は、専用部材によって給水位置を下げれば大きな問題はないでしょう。
ただし、給水管を延長すると、長い金属パイプが露出しているのでそれが気になる場合があるかもしれません。
給水管が後ろ壁から出ている場合
給水管が後ろの壁面にある場合は注意が必要です。給水高さによっては、専用部材とトイレタンクが干渉する可能性があります。
その場合は干渉しないように、トイレ本体を前に出して設置しなくてはなりません(メーカーの推奨では5~6cm程度となっています)。
すると、壁とトイレタンクの間に隙間ができてしまい、さらにトイレの前空間が狭くなるという問題が生じてしまいます。
給水管を移設する方法もある
トイレの前空間が狭くなる場合は、動作スペースを確保しなくてはいけませんし、たとえ給水管が接続できても長い延長配管が気にある場合もあるでしょう。
これらの問題は給水管を移設すると解決できます。
給水管の移設は壁を開口し、給水管の取り出し位置を変える工事です。
壁を開口して石膏ボードを貼り直すので壁仕上げ工事も必要になりますが、給水管の問題をスッキリと解決することができます。
排水管位置の問題
排水管の位置が問題で、トイレの前空間が狭くなってしまう、トイレの機種が限定されてしまうこともあります。
現在のトイレの排水位置はメーカーで統一されており、壁の後ろから排水芯までの距離が200mmを基本としています。
排水芯が200mm以外の場合は、TOTOのリモデルのように排水芯を変えられるトイレを選ぶのがひとつめの方法です。現在の排水位置をそのまま生かします。
もうひとつは、思い切って排水芯を後ろ壁から200mmの位置に工事で組み替えてしまう方法です。費用はかかりますが、今後のトイレ交換やリフォームが簡単になります。
その場合はまず床を解体。排水芯の位置を後ろ壁から200mmの場所に作り直します。床の木下地を組んで、クッションフロアを貼れば完成です。
この工事まで行う場合は、給水管も一緒に移設した方が良いでしょう。
まとめ
隅付タンクのトイレは現場を調査することから始まります。
適したトイレの機種、配管の移設工事が必要かなど、詳細や工事費用は現場を確認しなければ適切に導き出すことができません。
内装工事をせずに、最小限の工事にとどめる方法もありますが、配管位置まで大規模に修繕しておけば、後々のトイレ交換やリフォームがラクになるでしょう。