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これからのためにお風呂をリフォームしませんか?
「転ばぬ先の杖」
先々のことを考えて準備しておけば、いざという時に役に立つということわざですが、私たちの生活や住まいの中でもこのような場面がよくありますね。
「こんなことになるなら前もって準備しておけばよかった」
「解かっていたんだけど、ついつい先延ばしにして手遅れだった」
高齢になると、それまで可能だった行動や動作が難しくなってきます。そのため、家の中で小さな段差につまずいて転倒することや、階段から転落する事が起きてしまいます。
家庭内の危険な場所をリフォームすることによって、歳を重ねても安心して生活することができます。今回は、高齢者にとって危険が多いお風呂のリフォームについてご紹介します。
〇マンションでもお風呂のリフォームは可能です。
お風呂のリフォームと聞くと大掛かりで大変というイメージがあり、とてもマンションではできないのではないかと考えている方もおられます。しかし、マンションやアパートでも、戸建住宅のようにお風呂のリフォームすることは可能です。
近年のマンションのお風呂はユニットバスが大半ですが、築30年以上のマンションでは、在来工法で作られたお風呂も多く存在します。在来工法のお風呂とは、風呂場になる壁や床をモルタルやタイルなどの建材を使用し、防水性を考慮して仕上げる風呂場の事です。
一方のユニットタイプは、工場で作られた壁や床、浴槽や設備を現場に搬入して作り上げる風呂場の事です。風呂場が一つの箱の様な形になるので、防水性や気密性に優れています。カラーバリエーションや設備を選択できますが、ユニットバスの大きさには限りがあるので、在来工法で作られたお風呂に比べると自由度は低くなります。
〇高齢者に優しいお風呂のリフォームとは
次に、高齢者に優しいお風呂のリフォームを具体的にご紹介していきます。
・出入りのしやすい浴槽に交換する
一般的な浴槽の高さは60cm程です。高齢になると、身体を動かせる関節の可動域が小さくなるので、足を上げて浴槽に入ることが難しくなります。無理に入ろうとすると、浴槽の縁につまずき転倒する危険性が高くなります。
つまずきにくい浴槽の高さは40cm程度が適切とされています。そのため、浴槽を三分の一程度床に埋め込んだ「半埋め込み」という設置方法で浴槽を設置すれば、出入りも楽になり転倒を予防することができます。
ユニットタイプになると、介護用や施設用などの浴槽などが主流となっています。しかし、メーカーによっては浴槽の高さを選べるシステムバスなどが販売されているので、そちらを選択する事で解決できます。
・手すりの設置
浴槽を出入りするには、入る時と上がる時に掴むための手すりが必要です。手すりの位置は浴槽の近辺に設置しますが、利用者がつかまりやすい位置に設置する事が大切です。設置前にはリフォーム業者とよく相談し、最適な位置に設置しましょう。
ユニットバスの場合には壁が薄く、後付けで手すりを取り付けることは困難な場合がありますが、絶対に取り付けられないことはありません。また、メーカーによっては後付けができる様に、初めから用意しているメーカーのユニットバスもあります。そのため、業者を選ぶときには、水回りのリフォームに詳しい業者を選ぶ事をお勧めします。
・出入り口の段差を無くす
高齢になると、ほんの少しの段差で転倒する事がありあります。つまずくことがあっても、直後に防御態勢を取れないので大怪我になってしまいます。また、一般的な浴室は脱衣所よりも低くなっています。
段差を解消するには、浴室側にすのこを入れるだけでも段差の解消になります。リフォーム用の「段差解消すのこ」は、浴室に合わせて高さを調整し、長さもカットできるので浴室にピッタリと収めることができます。表面も滑りにくい材質や、水たまりができにくい仕様になっています。
ユニットバスの導入なら、脱衣所の入口の高さに合わせてユニットを設置するので、段差をゼロにすることができます。
・浴室の扉を引き戸か折れ戸に変更する
浴室の扉が内開きの場合、浴室内で動けなくなった時に外から開けることが困難になるので大変危険です。また、出入り口は広くスペースがある方が、出入りが楽になり肩や足をぶつけるといった危険性が無くなります。
扉を引き戸にすれば、高齢者でも力を入れずに開閉でき、出入り口も広く利用できるので理想的です。しかし、扉を収納するスペースが必要になります。扉を収納するスペースが確保できない場合には、扉を折れ戸に変更することで解決できます。
・浴室ブザーやインターホンを設置する
浴室で何か異常が起きた時に、一刻も早く外に知らせる事が大切です。そのため、浴室から家の中の誰かに、異常を知らせる発信機や緊急通報装置の設置がお勧めです。
装置には会話ができるタイプや、紐を引くだけで異常を知らせることのできるタイプがあります。自身が操作しやすく、なるべく簡単な操作と思えるものを選択しましょう。
・浴室暖房機の設置
暖かい部屋から寒い脱衣所やお風呂場に入ることで、急な温度差で血圧が大きく変動してしまい、失神や心筋梗塞、あるいは脳梗塞を起こしてしまう事があります。これを「ヒートショック」といいます。
脱衣所にはヒーターなど器具を置くことで問題を解決できます。また、浴室にも浴室専用の暖房機を設置することで、使用前に温かな浴室にしておく事が可能です。ユニットバスでは、元々断熱性能が高い上に、天井面に浴室暖房乾燥機を設置したタイプもラインナップされているので、このタイプを選択すると良いでしょう。
ヒートショックは高齢者に多く起きるとして知られていますが、若い方でも起こりうる現象です。温度差を無くすことで防げるので、浴室には導入を検討しましょう。
・安全性の高い床への交換
お風呂での転倒事故は多く、高齢者の場合では打撲や骨折といった大怪我に繋がります。滑りにくい材質の床に交換する事も大切ですが、転倒は、床が乾いている時よりも湿っている時が多いので、水はけの良い造りに加工された床にリフォームを行いましょう。
ユニットバスの場合には、床面が滑りにくく加工されたタイプや水はけの良いものを選択しましょう。また、選ぶ際には掃除のしやすいタイプのものを選ぶことで、日々の掃除の負担を少なくすることもできます。
〇高齢者に優しいユニットバスに変更
ユニットバスの中には、初めから高齢者向けに様々な設備や加工がされたものが、各メーカーによって販売されています。従来工法のお風呂リフォームは、ユニットタイプに比べると工期も長く掛かる事があり、場合によってはユニットタイプよりも費用がかかる事があります。
また、ユニットタイプでも、浴槽の耐用年数は10年から20年程度と言われています。築後20年以上経過しているのであれば、浴槽以外にも設備や浴室全体に何らかの異常が出ている場合もあります。
今後も長く、自宅で快適に過ごしたいとお考えであれば、将来の事を考えて設備の整った高齢者向けのユニットバスに変更することをお勧め致します。高齢者向けのユニットバスであれば、これまでご紹介したリフォーム内容が初めから設定されているの安心です。
自宅やマンションが築20年以上経過している場合には、専門業者の点検やメンテナンスを行って頂き、異常が見つかった時やリフォームが必要な時には、高齢者向けのユニットバスの導入も検討してみましょう。
〇マンションのお風呂リフォームで気をつけること
マンションでのリフォームの際、管理組合に報告と管理規約の確認が必要です。マンションには、共用部分と専有部分があり、お風呂のリフォームが共用部に影響がないリフォームなのか、必ず業者と共に確認しましょう。また、お住まいのマンションが独自の規約がある場合もあるので、管理規約もよく確認しておきましょう。
また、リフォーム前には近隣住民への周知を行います。管理組合に報告だけや、リフォーム業者に任せるのではなく、自身で近隣住人にご挨拶をしましょう。伺って不在の時には、ご挨拶と共に工事の時間帯や、自分の連絡先をメモに書いてポストに入れておくことをお勧めします。
マンションのリフォームでは、工事の騒音や振動によるトラブルが起こりやすいものです。自分の生活環境をよくするために、他人の環境に迷惑を掛けることは許されません。今後も近隣住人との良好な関係を築いていく上でも、このような気配りが非常に大切です。
〇まとめ
いかがだったでしょうか?
お風呂は毎日利用し、日々の疲れを癒す大切な場所です。高齢になっても安心して利用できる様に、お風呂リフォームは早い時期から考えておくことが大切です。
マンションでもお風呂のリフォームは可能ですが、マンションの管理規約の遵守と管理組合の報告を行い、周辺住人に気配りを心掛けましょう。