今は健康でも、歳を重ねればこれまで可能だった身体の動きや行動も難しくなるのは当然の事です。それは家の外に限らず、家庭内でも同じです。
暗いところで物が見えにくくなった。2階に上がるのが大変になったなど、加齢は家庭内での行動にも支障をきたします。
中でもトイレは、生活には欠かせない重要な部分です。今は支障がなくとも、近い将来を考えてトイレリフォームを行う事は大切です。
この記事では、トイレのリフォームについて重要なポイントをご紹介します。
・和式であれば洋式に
現在の新築住宅ではほとんど見かけない和式トイレですが、築年数が20年以上の住宅では多く設置されています。和式トイレは、屈んだり立ち上がることで腰やひざに負担が掛かります。足腰の弱っている高齢者にとって、動作のしづらいトイレになります。
簡易的に、和式トイレに洋式トイレを被せるタイプもありますが、衛生的な問題や将来の事を考えると、やはりリフォーム会社による本格的なトイレの改装をお勧めします。
・扉は開き戸に。床の段差も無くす
トイレ扉がトイレ側に開けるドアの場合には、万が一トイレ内で倒れたときに開けることが困難になります。また外側に開く扉の場合でも、車いすを利用したときには移動の妨げになる事もあります。
トイレの扉を引き戸にリフォームすることで、開口部が広くなり移動がスムーズになります。壁に引き戸を収める厚みが無い場合には、壁にレールを取付けて扉を吊る「吊り戸」利用すると良いでしょう。
また、扉をリフォームした時には段差を無くす事が大切です。高齢者にとっては、ほんの数センチの段差でもつまずいて転倒する危険性があるからです。
・トイレ内に緊急用の呼出し機器の設置
トイレで急に体調を崩すと、助けを呼ぶことが出来ない事があります。特に高齢者の場合には、トイレで異変が起きても声や動きに制限がある時には、室外には伝わりにくい事があります。
このようなことが起こらないように、万が一に備えてトイレ内に異常を知らせる非常コールの設置をしておくと良いでしょう。
・トイレまでのアプローチに手すりと照明を
トイレまでの通路が暗いと、高齢者が夜にトイレに行く時に大変危険です。通路に足元灯があれば、つまづきや転倒の危険性を軽減する事ができます。また、トイレまでの壁に手すりを併設すれば、転倒防止の他にもトイレまでの誘導になるので安心です。
・可能であれば寝室の近くにトイレを
高齢者のトイレリフォームを考えた時に、身体が動かしにくい状態や健康に問題があると、トイレに間に合わない場合やトイレに行くまでに転倒してしまう恐れが考えられます。
その為、寝室とトイレまでの距離はなるべく近くに設置することをお勧めします。将来介護が必要となった時にも、本人のみならず介助者の負担も軽減することができます。
いかがだったでしょうか?
その他にも、トイレリフォームを細かく見ていけば様々な対策があります。しかし、まだ身体が動かせる状態や、将来の為のリフォームを考えるのであれば、まずはこのリフォームポイントをしっかりと押さえましょう。
シニア世代のトイレリフォームでは、安全に自分できるような環境づくりが大切です。早めに取り掛かれば、いざというときも安心です。